2013年08月28日

WORKS-4 島内の民家再生(7)



松本市島内の『島内の民家再生』の工事過程です。


@既存建物の解体
 この工事では壁は全て取り壊し、木造の骨組みのみにしています。
 やり方によっては既存壁を残す場合もあります。
 民家の弱点は基礎周りと言われるように、
 土台部分と土台に近い柱下部は痛んで使えない場合があります。

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A土台を入れ替えるために骨組みごとジャッキアップして持ち上げます。
 その後、土台や柱を入れ替えたり、新規で柱を建てたりします。

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B基礎を打つための防湿シートと鉄筋の施工。
 この場合はベタ基礎を選択しました。

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C床組みが出来た段階で、根太間に断熱材を入れ、
 主暖房である灯油熱源の床暖パネルを敷きこみます。

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Dすすで黒くなった古材のほか、
 必要なところに新材(写真の白木の部分)を入れて空間を造っていきます。
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E木部が出来た後、壁下地のボードを貼り、ここからは新築と同様の工程になります。
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2013年08月24日

WORKS-4 島内の民家再生(6)



松本市島内の『島内の民家再生』の内部・その(4)です。
2階部分です。

リビングの上部吹抜けの東側と西側に将来の子供室を設けています。
この2室はリビングとダイニングの上に新設した渡廊下で繋がっています。


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リビング上部の吹抜

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吹抜の東側(正面側)に設けた子供室1

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吹抜の西側に設けた子供室2

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東西の子供室を結ぶ渡廊下
既存梁を一部切っています。(補強梁を入れています。)

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2013年08月23日

WORKS-4 島内の民家再生(5)



松本市島内の『島内の民家再生』の内部・その(3)です。
ダイニング・キッチンです。

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ダイニング・キッチン
床:ナラフローリング(床暖房)
壁:漆喰塗り 一部杉板貼り
天井:AEP塗装 構造材現し
木部はオイルステイン塗装



ダイニング・キッチンはリビング(オエ)の北側にあり、引込戸によりリビングと一体で使うことができます。
ここも、既存の古い梁を現した吹抜け空間としました。
照明器具はステンド・グラスを組み込み、特注品です。
キッチンは対面式とし、システムキッチン(YAMAHA)が入っています。

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2013年08月22日

WORKS-4 島内の民家再生(4)



松本市島内の『島内の民家再生』の内部・その(2)です。
リビング(再生前はオエ)・土縁(再生前は上オエ)です。


この本棟の民家は東西方向に3部屋×南北方向に3部屋=9部屋で構成されています。
その真ん中の部屋は『オエ』と呼ばれています。
真ん中の部屋なので採光が取りにくく、
各部屋への通り道になってしまっている事が多い部屋です。
空間的にはちょうど建物の真中にあるので、吹き抜けにすればダイナミックな空間に生まれ変わります。
今回は、天井が張られていた『オエ』部分の天井を取り除き、小屋組みを見せた吹き抜けのあるリビングにしました。
また天窓を設けて採光も確保しました。

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リビング
床:ナラフローリング(床暖房)
壁:漆喰塗り
天井:AEP塗装 構造材現し
木部はオイルステイン塗装




オエの南側の『上オエ』と呼ばれた畳敷だった部屋は、リビングと同様に床を板貼りとし、一部を土縁(土足で上がれる空間)としました。
また南側に大きな開口部を設けて、採光がリビングにも届くようにしています。


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土縁
床:ナラフローリング(床暖房) 敷瓦タイル
壁:漆喰塗
天井:AEP塗装 構造材現し
木部はオイルステイン塗装
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2013年08月20日

WORKS-4 島内の民家再生(3)



松本市島内の『島内の民家再生』の内部・その(1)です。
玄関土間と寄付、座敷部分です。

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玄関土間
床・珪藻土たたき
壁・漆喰塗
天井・大引天井(カラマツ板)
木部はオイルステイン塗装です。


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(上)再生前 (中)(下)再生後の寄付、座敷
床・畳
壁・ジュラク塗り
天井・大引天井(カラマツ板)(寄付)・杉板竿縁天井(座敷)
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2013年08月19日

WORKS-4 島内の民家再生(2)



松本市島内の『島内の民家再生』の外観です。
2006年に竣工しました。
約200年前に建てられた『本棟造り』と呼ばれる民家の再生です。

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式台部分はずいぶん改造されていましたので、創建当時の姿に戻しました。

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2013年08月18日

WORKS-4 島内の民家再生(1)



松本市島内の『島内の民家再生』の外観です。
2006年に竣工しました。
約200年前に建てられた『本棟造り』と呼ばれる民家の再生です。

本棟造とは、長野県の中信地方から南信地方にかけて分布する民家の形式で、
切妻造り妻入り、ゆるい勾配の屋根、雀おどしと呼ばれる棟飾り、正方形の間取りなどが特徴です。重要文化財にも指定されている堀内家住宅や馬場家住宅などが有名。(Wikipedia抜粋)

以前、勤務していた設計事務所が民家再生を多く手掛けていたので、民家再生の設計依頼もしていただくことがあります。


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(上)再生前外観 (中)(下)再生後外観

特に、『本棟造』の民家再生では、再生前後の外観は(創建当時からかなりの増築や改造がされていない限り、)
あまり見た目の変化はありません。

外観に関して言えば、民家が建てられた当時の姿に戻す(近づける)・・・ということでしょうか。
『民家は地方の証明書』と言われている通り、
その土地の気候風土を考慮した造り(外観)になっています。
創建当時の姿に近づける事が、景観に調和した外観にする事になります。

この建物は、屋根は一度手を入れたあったので、工事では既存屋根のままです。
外壁は、板壁や塗壁部分は新規に、板を貼ったり、漆喰を塗ったりしています。
開口部は、断熱性を上げるために木製建具や断熱サッシに取り換えています。
posted by 侘助 at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 島内の民家再生